機械と部屋
20世紀に入ってからも、ほとんどの住宅はいまだに部屋を組立てるだけの古いやり方でつくられ、そこに機械類が押し込まれるというだけのものにすぎない。
その結果、いったんは注意ぶかく作られた品位ある生活のための空間も、機械によって台無しにされてしまう。
機械を収容するために、祖先の建てた家のもつ明快で美しく釣合いのとれた部屋を(寒々とした廊下や便器だけならまだしも)私たちは捨ててしまった。
人間の生活に対するよりも、機械に対して気を配るようになったため、住宅は住むための場ではなく、設備を置くためのものになった。
その結果たるや、注文住宅は、部屋と部屋もどきのものと部屋とはいえないものが支障なく無秩序に混ぜ合わされたものになったので、不動産広告で持主の言うことといえば、浴室と厨房器具の数、暖房システムの熱源のことだけである。